自治体職員が書く“子育て支援・教育行政”

行政窓口で待機児童の家庭のお話をうかがったり、制度設計に奔走している者にしかわからないところを伝えたい、という思いで書いています。子どもの幸せ・親の幸せに幼児教育・保育制度はどう寄与していけるのか、一つひとつ制度を深掘りしていきます。

子育て支援の施策を作る人が知っておくべきこと。そもそも「子ども・子育て支援」の定義は?

「子ども・子育て支援」という言葉があります。

昨今、子育て支援としてそれぞれの自治体がさまざまな施策を打ち出していっていますが、この記事は、この言葉の定義的なところから、子ども・子育て支援の方向性についてまとめています。

1.「子ども・子育て支援」の定義 

 『子ども・子育て支援法に基づく基本指針』には、「子ども・子育て支援とは、保護者の育児を肩代わりするものではなく、(中略)親としての成長を支援し、子育てや子どもの成長に喜びや生きがいを感じることができるような支援をしていくことである。このような支援により、より良い親子関係を形成していくことは、子どものより良い育ちを実現することに他ならない」とあります。

 この文章を、分解して図示すると次のようになります。

「子ども・子育て支援

→「親の成長支援」

→「より良い親子関係づくり」

→「子どものより良い育ち(子どもの最善の利益)の実現」

2.あるべき施策の方向性

「子どものより良い育ち(子どもの最善の利益)の実現」に向いた「親や社会(労働環境など)のニーズ」は満たすように役所として推しすすめるべきであり、「より良い親子関係づくり」に矢印が向かないような「親や社会のニーズ」は相手にしないというのが、「やるべき子ども・子育て支援かどうかの判断基準」ではないでしょうか。